私が生まれた時
私の重さだけ地が泣いた
私は少量の天と地でつくられた
別に息をふきかけないでもよかった
天も地も生きていたから
私が生まれた時
庭の栗の木がちょっとふり向いた
私は一瞬泣き止んだ
別に天使が木をゆすぶった訳でもない
私と木と兄弟だったのだから
私が生まれた時
世界は忙しい中を微笑んだ
私は直ちに幸せを知った
別に人に愛されたからでもない
私は只世界の中に生きるすばらしさに
気づいたのだ
やがて死が私を古い秩序にくり入れる
それが帰ることなのだ…
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